どろコン屋さん見学

2009年7月25日 19:40

青木設計の青木です。

先日、アルチザンプロジェクトという会の見学会で、

豊田市にあるどろコン屋さん、前田興業さんへお伺いしました。

「どろコン」と言っても、ピンとこないかもしれませんが、

家づくりの中で、荒壁とか土壁と呼ばれている部分の、材料の土のことです。

代表の前田さんは、先代のお父様が始められたどろコンを、今も大事に守ってみえます。

材料となる土の産地も三河の限られたエリアのものだけ使われています。

三州瓦の土を採取する時に、どろコンに適した土が取れるのだそうです。

赤土、さば土、粘土、作土などを程よくブレンドし、

自社の土場で、藁を混ぜながら熟成されています。

土の粒子の細かさや粗さの塩梅がどろコンの質の良否を替えるそうです。

また、土をねかせることも大事にされているそうです。

手間と思い入れが詰まったどろコンですが、値段を聞いてちょっとびっくりです。

どろコン自体の値段は、壁用のロックウール断熱材と同じかちょっと安いぐらいな感じです。

内心、「これゃあ、儲かる商売ではないな。」と思ったのは、

私だけではなかったのではないでしょうか。(ちょっと失礼)

自然素材は、その素材そのものが重要なのは言うまでもありませんが、

そこに人の手間がある事が重要です。

素材を見て、判断し、手間を掛けることが、いかに大切かは、

このヤマトタテルの木を扱う人達を見てきて常々感じてきたことですが、

どろコンもやはり同じなんだと再認識させてもらいました。

顔の見える間柄から、顔の見える材料を提供してもらうことが、

良質な家づくりにつながるのではないかと思います。

長い歴史の中で培われてきた自然素材は、やはり奥が深い。

伝統の技や知恵は大事にしていかねばいけません。

ただ、工期の短い乾式の工業化された家づくりが主流の現代では、

どろコン屋さんは、もはや、存在自体が重要文化財の様な感じさえ受けてしまいます。

今、「現代の家づくり」、「これからの家づくり」を、

もう一度考えなくてはいけないような気がしてなりません。

どろコンにこだわりをお持ちの方があれば、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

(家族経営で、どろコンを頑張って守ってみえます。あまり、無理なお願いは気を付けてくださいね。)

豊田市若林東町高根下65-1
前田興業株式会社 代表前田優人
TEL:0565-52-1833

私は、妙に土壁が身近になったような気がしています。

次は、天竜TSドライさんにお渡します。

 

土場風景

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どろコン工場

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ねかせた土で練り上げたどろコン。

触ると手に吸い付きます。施工性も良いそうです。

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 ねかせてない土で練り上げたどろコン(試し練り)。

触ると違いは歴然。

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