エコギミック

2008年3月24日 23:55
エコ塗料、エコ壁紙、エコ接着剤、エコフロアー、エコ断熱材、ECO、ECO、ECO。
人にやさしい、環境にやさしい、自然素材、天然素材、エコロジー、自然、自然、自然。

いつぞやか、デザイン事務所を経営している古い友人が主催するパーティーがあり出席したことがありました。店舗のロゴやオブジェのデザインを仕事にしているので店舗建築の関係者が多く来ていいました。

友人は私が自然塗料のセールスマンであることを出席者に紹介してまわってくれました。

しゃれたクロとキンのシャツを着た快活そうな紳士に、

「どうも、日本オスモのダイコクと言います。はじめまして、よろしく。」
と私が名刺を差し出すと、彼はにっこり笑って、

「アー、この塗料ね、アトピーの子供が増えるとうれしいでしょ」
と言いました。

やはりこういう風に思われているのだと薄々感づいていました。
ありえない話ですが、エコ建築資材はシックハウス対策という販売戦術でシックハウスを心理的に増やし、そして売上を伸ばしたって思っている人がいるのではと。

シックハウス対策という詠い文句の裏側には、使わないとシックハウスになるかもしれないという観念を植え付けるメッセージが隠されているのではないでしょうか。このコマーシャルを繰り返すと、多くの消費者は際限なくエコ、自然、安全を求め始め、メーカーは待ってました、とばかりに"うちの商品は他社よりエコ、自然、安全です"と追い討ちをかけるのです。

エコに隠れてしまってあまりクローズアップされていないことですが、植物油は木材用塗料を設計するにあたり優れた物性的特性を持っています。

植物油は分子構造が小さいので多糖体に染み渡り個々のリグニンを補強する働きがあるので、木を分子レベルで保護することができます。樹齢100年のスギを100年使える建物に使おうとするなら植物油を塗り長持ちさせる必要があるのです。これは分子構造の大きい合成樹脂には真似のできないことです。

もっともっと塗料のことを知っていただきたい、今日この頃。

daikoku

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